
最近、本を読みたい気持ちはあるのに「何から読めばいいのかわからない」という声をよく耳にします。
長編はハードルが高いし、難しいテーマの本はちょっと今の気分じゃない…。
そんなあなたに、そっと寄り添ってくれる本があります。
近藤史恵さんの連作短編集『ときどき旅に出るカフェ』は、まるで香り立つ紅茶とともに差し出されるような、やさしい一冊。
日々の喧騒から少し離れて、静かに心を癒してくれる物語です。

氷野照明に勤める奈良瑛子が近所で見つけたのは、カフェ・ルーズという小さな喫茶店。
そこを一人で切り盛りしているのは、かつての同僚・葛井円だった。
海外の珍しいメニューを提供する素敵な空間をすっかり気に入った瑛子は足しげく通うように。
会社で起こる小さな事件、日々の生活の中でもやもやすること、そして店主の円の秘密ーー世界の食べ物たちが解決のカギとなっていく。
読めば心も満たされる“おいしい”連作短編集。
小説「ときどき旅に出るカフェ」について

主人公の奈良瑛子(なら・えいこ)は、偶然立ち寄ったカフェで、かつての同僚・葛井円(くずい・まどか)と再会します。
円は会社を辞め、自らが店主となって「カフェ・ルーズ」を開いていました。
このカフェの最大の特徴は、旅先で出会った世界各国の家庭料理やスイーツを提供していること。
日本ではまだ珍しいお菓子や飲み物が、さりげなくテーブルに並びます。
訪れる人々はみな、少しずつ心に何かを抱えながら、それでもこの小さなカフェでそっと深呼吸していく…。
そんな“日常のちいさな変化”が、短編形式で描かれる作品です。
「ときどき旅に出るカフェ」の魅力
物語に登場するスイーツはどれも、作者が実際に調べた本物の郷土菓子。
たとえば、フィンランドの「苺のスープ」、ベトナムの「チェー」、ロシア風チーズケーキなど。
食文化に興味がなくても、不思議と「どんな味だろう」と想像してしまう魅力があります。

旅するように味わう世界のスイーツを楽しむことができますよ。
連作短編集だから、読書が苦手でも大丈夫
各話が短編になっていて、少しの時間で1話を読み切れる設計。
そして、すべてのストーリーがつながりのある内容となっているので、次のストーリーが楽しみになるはずです。
初心者の方や忙しい人、久しぶりに本を開く人にもぴったり。
日常にそっと入り込む“心の変化”
人間関係のリアルを描いた、登場人物たちの“心の揺れ”が響いてくる1冊。
どこにでもありそうな日常や職場での人間関係、そんな身近な出来事が読み手に共感を与えます。
そして、1話ごとにスイーツが癒しを与えてくれる、不思議な感覚へと導かれます。
\日常の癒しになる1冊/
「ときどき旅に出るカフェ」の口コミ

- 評価
4.00 投稿日:2025年05月14日
美味しそうなカフェメニューとちょっとした日常ミステリーと人間関係の物語。
ちょっと難しい人間関係も、ちょっとささくれた心も、旅好きなカフェオーナーとその人が作る美味しそうな料理やデザートや飲み物で癒される。
押しつける様な癒しではなくて、読んでいてホッとできる作品で心地よい読書時間でした。
登場する食べ物飲み物は珍しい物もあったりして面白い。
そしてどれも美味しそうだった!
著者は読者の味覚と好奇心をくすぐるのが上手でした。
続編がある様なので楽しみです。
”楽天koboより引用”
- 評価
4.00 投稿日:2025年05月02日
世界は広い、知らない事がたくさんある。
旅するように少しづつ読めたらなと思ったけど、
思わぬ展開に一気読みしてしまいました。
こんなカフェが近くにあって常連になれたらいいな。
評価も高くて、癒される、読みやすい、などの高評価が目立ちました。

初めて読む小説にもおすすめできる1冊です。
物語に出てくるスイーツをひとつだけ紹介

作中で印象的に登場する「苺のスープ」は、フィンランドなど北欧で親しまれている冷たいフルーツスープ。
店舗での提供は珍しいですが、自宅で簡単に再現できます。
簡単レシピ(2人分):
- 苺 200g(冷凍でもOK)
- 砂糖 大さじ2
- 水 200ml
- レモン汁 少々
- 片栗粉 小さじ1を水大さじ1で溶いて加える
鍋に材料をすべて入れて加熱し、沸騰直前で火を止めて冷蔵庫へ。
冷やしてどうぞ。
優しい酸味ととろみ、まさに「物語の中の一皿」を体験できます。
著者:近藤史恵(こんどう・ふみえ)さんについて
- 『凍える島』(デビュー作)
→ クローズドサークル型の本格ミステリー。無人島で起きる連続殺人。
第4回 鮎川哲也賞 - 『ときどき旅に出るカフェ』シリーズ
→ ヒューマンドラマ+ライトミステリー。旅と料理をテーマにした優しい短編集。 - 『サクリファイス』(シリーズ開始作)
→ プロロードレーサーを主人公にした異色のスポーツ×心理サスペンス。圧倒的リアリティと緊迫感が魅力。
第10回 大藪春彦賞 - 『マカロンはマカロン』シリーズ(ビストロ・パ・マル)
→ フレンチビストロを舞台に、料理と人間模様、軽い謎を絡めた短編集。 - ジャンル:ミステリー・ヒューマンドラマ・グルメ小説・ロードレース小説など多岐にわたる
- 文体の特徴:平易で読みやすく、心理描写が丁寧。日常に潜む“ズレ”や“違和感”を拾い上げるストーリーテリングが魅力
近藤史恵作品の魅力ポイント
1.ミステリー初心者でも読みやすい文体
2.料理やスポーツを通して“人間”を深く描く
3.女性主人公に寄り添う視点があたたかい
4.現代社会の影や孤独も、さりげなく浮かび上がらせる
次におすすめの本(もっと旅・食・癒しを)
- 『それでも旅に出るカフェ』/近藤史恵(続編)
- 『マカン・マラン 二十三時の夜食カフェ』/古内一絵
- 『ツバキ文具店』/小川糸
- 『マカロンはマカロン』/近藤史恵
まとめ 癒されたいすべての人へ

誰かに会いたいけど、会えないとき。
遠くに行きたいけれど、行けないとき。
そんなときこそ、本の中で「旅に出る」ことを選んでみてください。
『ときどき旅に出るカフェ』は、あなたの心に小さな灯りをともしてくれる、そんな一冊です。
ぜひ、一読ください。
他の著者の小説も読んでみたい方は、こちらからチェックしてみてください。
【オーディオブック】で本を聴いてみたいひとにおすすめ!

本を持ち歩きたくない人や、本を置くスペースを作りたくない人におすすめなのが、「オーディオブック」。
省スペース化ができて、手軽に本を聴くことが出来るということで、利用されている方も増えてきていますね。
両手が塞がらないことで、ながら作業が捗る、こういった効率の良い本の聴き方も良いと思います。
こちらからチェックしてみて!
新作続々追加!オーディオブック聴くなら – audiobook.jp

コメント