
汗ばむ空気、夕暮れに響くひぐらしの声、夜空に咲く色鮮やかな花火。
どこか懐かしくて、ちょっと切なくて…
夏は、心が少しだけ物語を求めるようになります。
そんな季節にぴったりなのが、小説。
一冊の本が、過去の記憶を呼び覚ましたり、まだ知らない誰かの夏へと連れていってくれたりします。
「今年の夏、何を読もう?」と迷っているあなたへ。
今回は、受賞歴や映画化、読者人気などをもとに、“夏に読みたい小説”を《ジャンル別》にランキング形式でご紹介していきます。
心を揺さぶる【恋愛・ヒューマンドラマ】・ちょっぴり不思議な【ファンタジー・青春】・思わず息をのむ【ミステリー・サスペンス】
今年の夏は、気分やシチュエーションに合わせて、ジャンルで“物語の旅”を選んでみませんか?
きっと、あなたの夏を彩ってくれる一冊が見つかるはずです。
それでは紹介していきます。
ジャンル別|夏に読みたい小説ランキング9選

・恋愛・ヒューマンドラマ部門|心がじんわり温まる夏の読書
第1位:『夏美のホタル』/森沢明夫
夏の田舎で過ごす数日間の出会いと別れを描いた、やさしくて切ない物語。
自然と人の温かさが胸に染みるヒューマンドラマ。映画化作品。

内容紹介
写真家志望の大学生・慎吾。卒業制作間近、彼女と出かけた山里で、古びたよろず屋を見付ける。そこでひっそりと暮らす母子に温かく迎え入れられ、夏休みの間、彼らと共に過ごすことに……。心の故郷の物語。
\映画化にもなった人気小説/
第2位:『君の膵臓をたべたい』/住野よる
余命わずかな少女と、クラスメイトの少年との交流。
10代の儚さと、夏の記憶が重なる青春ラブストーリー。累計300万部超の大ヒット。

内容紹介
ある日、高校生の僕は病院で一冊の文庫本を拾う。タイトルは「共病文庫」。それは、クラスメイトである山内桜良が密かに綴っていた日記帳だった。そこには、彼女の余命が膵臓の病気により、もういくばくもないと書かれていてーー。読後、きっとこのタイトルに涙する。デビュー作にして2016年本屋大賞・堂々の第2位、75万部突破のベストセラー待望の文庫化!
\小説で読みたい1冊/
第3位:『Butter』/柚木麻子
実在事件をモチーフにした、女性の心理戦。
“食”と“生”をテーマに、濃密なヒューマンドラマが展開。2025年英国ブックアワード受賞。

内容紹介
男たちの財産を奪い、殺害した容疑で逮捕された梶井真奈子(カジマナ)。若くも美しくもない彼女がなぜーー。週刊誌記者の町田里佳は親友の伶子の助言をもとに梶井の面会を取り付ける。フェミニストとマーガリンを嫌悪する梶井は、里佳にあることを命じる。その日以来、欲望に忠実な梶井の言動に触れるたび、里佳の内面も外見も変貌し、伶子や恋人の誠らの運命をも変えてゆく。各紙誌絶賛の社会派長編。
\注目作品を読んでみよう/
・ファンタジー・青春部門|日常と非日常が交差する“夏の魔法”
第1位:『風の歌を聴け』/村上春樹
1970年代の神戸。大学生たちの夏の日常を淡く描く、村上春樹デビュー作。
夏の空気そのもののような静かな読書体験。

内容紹介
「あらゆるものは通り過ぎる。誰にもそれを捉えることはできない。僕たちはそんな風に生きている」1970年8月、帰省した海辺の街。大学生の〈僕〉は、行きつけのバーで地元の友人〈鼠〉と語り明かし、女の子と知り合い、そして夏の終わりを迎える。過ぎ去りつつある青春の残照を鋭敏にとらえ群像新人賞を受賞した、村上春樹のデビュー作にして「初期三部作」第一作。
\村上ワールドにどっぷり浸かる/
第2位:『南の島のティオ』/池澤夏樹
自然と生き物が語りかけてくる南の島の物語。
子どもから大人まで心に残る夏の“哲学ファンタジー”。

内容紹介
小さな南の島に住むティオと出会った人々を中心に、つつましくも精神的には豊かな島の暮らしをさわやかに描く。
夢のような話を信じたティオに、絵ハガキ屋さんが最後におまけにくれた一枚とは? 第41回小学館文学賞受賞した作品に、「海の向こうに帰った兵士たち」を加えた増補版。
\純粋な気持ちになれる1冊/
第3位:『この気持ちもいつか忘れる』/住野よる
現代の高校生たちが抱える感情の揺らぎを描く連作短編集。
夏の“青春のもやもや”に静かに寄り添ってくれる。

内容紹介
毎日が退屈だ。楽しいことなんて何もない。授業を受けるだけの日々を過ごす男子高校生のカヤは、16歳の誕生日に、謎の少女チカと出会う。美しい目を光らせ、不思議なことを話すチカ。彼女は異世界の住人らしいのだが、二つの世界では奇妙なシンクロが起きていた。そして、チカとの出会いを重ねるうちカヤの心にはある変化が起き……ひりつく思いと切なさに胸を締め付けられる傑作恋愛長編。
\青春異世界系ファンタジー/
・ミステリー・サスペンス部門|静けさのなかに潜む“夏の謎”
第1位:『真夏の方程式』/東野圭吾
天才物理学者・湯川と少年が出会う海辺の町で起きた殺人事件。
静かな風景の中に浮かび上がる、人間ドラマと真実。

内容紹介
夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう1人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とはー。
\映画「ガリレオ」シリーズの人気作/
第2位:『幻夏』/太田愛
30年前の未解決失踪事件を追う、刑事と青年の静かな熱意。
時間を超える“夏の罪と記憶”が胸を打つミステリー。

内容紹介
「俺の父親、ヒトゴロシなんだ」毎日が黄金に輝いていたあの夏、同級生に何が起こったのかーー少女失踪事件を捜査する刑事・相馬は、現場で奇妙な印を発見し、23年前の苦い記憶を蘇らせる。台風一過の翌日、川岸にランドセルを置いたまま、親友だった同級生は消えた。流木に不思議な印を残して……。少年はどこに消えたのか? 印の意味は? やがて相馬の前に恐るべき罪が浮上してくる。司法の信を問う傑作ミステリー。日本推理作家協会賞候補作。
\夏の傑作ミステリーを読もう/
第3位:『火車』/宮部みゆき
失踪した婚約者の行方を追う金融サスペンス。
真夏でも背筋が冷たくなるような重厚なプロット。

内容紹介(「BOOK」データベースより)
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消してーなぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。
\高評価!ミステリー傑作の1冊/
まとめ:あなたはどの夏ジャンルで旅をする?

小説は、心のどこかにある“夏の記憶”を呼び覚ます力を持っています。
今回は3つのジャンルに分けて、それぞれの「夏」を感じられる作品を紹介しました。
静かに染みる恋愛物語?少し不思議で眩しい青春ファンタジー?背筋がゾクリとするミステリー?
ぜひ、今年の夏は、あなたにぴったりのジャンルで読書の旅に出かけてみてください。
また、あなたのおすすめも教えてください!
読者のみなさんの「夏に読みたい一冊」も大募集中!
コメント欄やXで、ぜひあなたの推し小説を教えてくださいね。
さいごに「本を聴く:オーディオブック」を試してみませんか?

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