
こんにちはAKIRAです。
今回は、心にじんわり染み込む小説『カフネ』を読んだ感想をなるべくネタバレ無しで紹介します。
また、そこからインスピレーションを受けてAIで楽曲を作ってみました。
“カフネ”とは、ポルトガル語で「愛する人の髪に指を通すしぐさ」を意味する言葉です。
まるでその言葉のように、この小説は誰かに優しく触れられるような感情が込められた物語でした。
そしてその読後の余韻を、どうしても音楽にしてみたい。
AI作曲ツールで“もうひとつのカフネ”を“神曲”として表現してみたので、そちらも聴いてみてください。
小説『カフネ』ってどんな物語?

「カフネ」著者・出版情報
- 著者:阿部暁子(あべ あきこ)
- 出版社:講談社
- 刊行日:2024年5月
- 受賞歴:2025年本屋大賞受賞・第8回未来屋小説大賞受賞・第1回「“あの本、読みました?”大賞」受賞
「カフネ」のあらすじ(ネタバレ無し)
主人公・野宮薫子は、法務局で働く30代女性。
離婚、不妊治療、心の傷。日々を淡々とこなしながらも、生きることへの手応えを失いかけていた彼女のもとに、ある日、衝撃的な知らせが届きます。
それは、かつて溺愛していた弟・春彦の突然の死。
彼の遺言に名前が記されていたのは、「せつな」という若い女性。
彼女は春彦の元恋人であり、家事代行サービス「カフネ」で働いています。戸惑いながらも薫子は、せつなに会い、「カフネ」での仕事を手伝うようになります。
他人の暮らしを整える日々のなかで、ふたりの心に少しずつ変化が生まれていく──。
\2025年本屋大賞受賞「カフネ」/
「カフネ」読んでみた感想|“触れる”ことのやさしさに涙する

私がこの本を読み終えて最初に思ったのは、「やさしさって、なんて静かなものなんだろう」ということでした。
派手な展開があるわけではありません。
でも、登場人物たちの呼吸や、台所に立つ手の温度、うつむく視線の先までが目に浮かぶような描写。
中でも印象的だったのは、せつなが作る料理を受け取った瞬間、薫子の心が少しだけほどけていくシーンです。
言葉ではなく、”誰かの手を通して伝わるぬくもり”が、ここにはありました。
「カフネ」をなぜ音楽にしようと思ったのか?

読後、やさしさに触れた感覚の余韻がしばらく続きました。
心がふわりと浮いたような、それでいてどこか寂しいような、そんな不思議な感覚。
その“言葉にならない何か”を、文字ではなく音で残したいと思ったのがきっかけです。
これまでに何曲か作ったことがあったのですが、今回は『カフネ』という物語に寄り添うような音楽を作ろうと思いました。
こちらから👇聴いてみて下さい。
『カフネ』を未読の方へ

このブログにたどり着いたあなたが、もしまだ『カフネ』を読んでいないのだとしたら──
まずは、ぜひ曲からでも構いません。
この物語には、”人が誰かのために手を伸ばす瞬間の“美しさ”が詰まっています。
それは恋や友情とは少し違う、でもたしかな“愛”のかたち。
そして読了後、この曲をもう一度聴いてみてください。
こんどはきっと、違った風景が心に浮かぶはずです。
\「カフネ」のやさしさに触れてみよう/
まとめ 「カフネ」は人の心のやさしさが重なる場所

『カフネ』は、静かで、やさしくて、どこか切ない小説でした。
それは、髪に触れるしぐさのように、さりげなく心に触れてくる物語。
私はこの本に出会えてよかったと思っています。
そして、その余韻を音楽にできたことが、ささやかな幸せです。
あなたもぜひ、この世界に触れてみてください。
▼他の小説についても感想と紹介をしています。
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