2023年8月23日にロシアの民間軍事会社ワグネルの創始者「エフゲニー・プリゴジン(62)」氏を乗せた自家用ジェット機が、モスクワの北西約300キロのトヴェリ州クジェンキノ村付近にて墜落したとされています。
ロシア連邦航空局は、墜落機の乗客リストに、プリゴジン氏の名前があったことを発表しました。
ほかにも10名の乗客もおり、全員の死亡を確認したと報じられました。
さまざまな憶測が交錯していますが、あまりにも悲惨で恐怖を感じざるを得ませんね。
これまでもプーチン大統領は、偶然とはいえない不可解な事件に関与していると疑惑がもたれています。
墜落死してしまった、プリゴジン氏はどんな人物なのか?
また、過去にプーチンが指示したとされる不可解な事件をいくつか紹介します。
プリゴジン氏のプロファイルに驚愕
メディアでもたびたび登場する、怒りに満ちあふれたプリゴジン氏が印象的でしたね。
その経歴も驚愕の内容です。
- 生年月日:1961年6月1日(62歳没)
- 出生地:ソビエト連邦
- 本名:エフゲニー・ヴィクトロヴィッチ・プリゴジン
- 家族:妻(リュボフ・ヴァレンティノヴナ・プリゴジナ)・息子・娘
- 別名:プーチンのシェフ(料理人)
- 職業:実業家・商業軍人
- 企業:コンコルド・グループ ワグネル・グループ(5万人以上と推定)
- 総資産:約9000億ルーブル 日本円にして、約1兆億円と推定
- 犯罪歴:1979年(18歳ころ)窃盗・1981年(20歳ころ)強盗・詐欺・売春 懲役12年
- FBIより指名手配中
プリゴジン氏は実業家としての才能をもつ
プリゴジン氏は1990年に継父とホットドッグを販売するネットワークを立ち上げ、事業を成功させています。
当時、ニューヨークタイムズに取材されるほどで「母親が数えきれないほどのルーブル(お金)が瞬く間に積み重なった」と答えていたようです。
その後、カジノやレストラン事業を展開し、2002年には水上レストランと呼ばれる「ニューアイランド」で、プーチン大統領と米国のジョージ・W・ブッシュ大統領に食事を提供しています。
それがきっかけとなり、プーチン大統領と親友関係をもち、「プーチンのシェフ」と呼ばれるようになりました。
その立場を利用し、違法に多額の資産を築き上げていきます。
ケータリング会社のコンコルド・ケータリングでは、政府契約でロシア軍に年間12億ドル相当の食事を提供するなど、事業を成功させますが、後にプーチン大統領から不正を疑われるようになります。
プリゴジン氏の豪邸と資産に驚愕
プリゴジン氏の自宅は、バスケットボールコートとヘリコプター発着所つきの豪邸に住んでいました。
また、後に墜落するプライベートジェット機と約35mのヨットを所有しているというから、とんでもない資産家だとわかります。
もちろん、きれいな事業内容とはいえない違法な資金を集めており、総額1兆円以上といわれていました。
プーチン大統領も恐れる民間軍事会社「ワグネル」を設立
プリゴジン氏は、2014年に民間軍事請負業者「ワグネル・グループ」を設立します。
レストランやケータリング事業を展開する会社が、このようなおそろしい会社を設立するなんて信じられませんね…。
紛争や内戦などに参加し、ロシア政府と連携する側で戦い、プーチン大統領からも資金の提供を受けていました。
戦闘員は推定5万にのうち、4万人は受刑者だということにショックを受けたことは記憶にあたらしいですね。
IRA「インターネット・リサーチ・エージェンシー」を設立
プリゴジン氏は「インターネット・リサーチ・エージェンシー」というIT企業も設立しました。
もちろん、まともな企業ではなく、デマやフェイクニュースを流したり、米国にとって不利な情報や妨害をおこなう団体でした。
個人情報の盗難や組織犯罪により、2018年にアメリカ連邦捜査局から指名手配され、資産の凍結をされます。
「プリゴジン」氏の裏切りを企て、プーチン大統領は暗殺を指示か
もともとは親交が深かったプリゴジン氏とプーチン大統領、ワグネルの戦闘員とプリゴジンの莫大な資産が、自身に脅威であると感じたのが暗殺指示のきっかけともいわれています。
プーチン大統領は2カ月前(6月27日)、プリゴジン氏のコンコルド・グループの汚職問題をとりあげています。
プリゴジン氏を「裏切り者」と国民に印象づけることで、正当化するねらいがあったと報道されています。
その後、2カ月にわたりプリゴジンはロシア側に反乱をおこないました。
\ゼレンスキー大統領も着用の戦闘服/
米国政府がプリゴジン氏は殺害されたと報じた
2023年8月23日、米国政府は暗殺との見解はしませんでしたが、墜落死したプリゴジン氏は殺害された可能性が高いとメディアで報じました。
その中でも驚いたコメントが…。
バイデン大統領「背後にプーチンがいないとロシアでは多くのことが起きない」とコメント。
機内に仕掛けられた爆弾で破壊された可能性がある、とアメリカ当局者が匿名で述べていました。
プーチン大統領はプリゴジン氏の暗殺疑惑を否定
8月24日、ロシア政府はプリゴジン氏の墜落死について暗殺疑惑を否定しています。
プーチン大統領はプリゴジン氏について、「才能ある人物だったが、人生で重大な過ちを犯した」とコメント。
つづいて「犠牲者の遺族に追悼の意を示したい。このような事態は常に悲劇だ」と追悼の意をのべています。
ますます疑惑が深まるプリゴジン氏墜落死の暗殺疑惑、ロシア政府が関与したとされる暗殺疑惑はこれだけではありません。
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プーチン大統領の支持で報復された人数30人以上
公にはでてきませんが、これまでプーチン大統領を非難して、暗殺されたであろうジャーナリストや政治家などは30人以上といわれているのをご存じだろうか。
あまりに不可解な死を遂げ、暗殺されたであろう人物を紹介します。
アンナ・ポリトコフスカヤ
アンナ・ポリトコフスカヤ氏は、「ノーヴァヤ・ガゼータ」の記者として活躍していました。
「プーチニズム 報道されないロシアの現実」などの書籍にて、プーチン大統領の批判をおこなったのち、報復されます。
2006年10月7日、モスクワ市内の自宅アパートにて射殺されました。(黒幕は未だ不明だが、モスクワ警察の元刑事が拘束)
また、ポリトコフスカヤの意志を継いだ弁護士のスタニスラフ・マルケロフ氏と、一緒にいたフリージャーナリストのバブローワ氏も2009年1月19日に2人そろって射殺されています。
\ロシアの真実がここに記されている/
セルゲイ・マグニツキー
セルゲイ・マグニツキー弁護士は、アメリカ人実業家の依頼を受け、国税の払い戻しにかかわる巨額横領事件にロシア警察当局や各種政府機関が汚職していたことを告発しました。
その直後、脱税容疑で逆に拘留されてしまうという事態に…。
2009年に、健康悪化をきたし、じゅうぶんな医療を受けられないまま、拷問が原因で死亡してしまいます。
その後、アメリカ政府により制定されたのが「マグニツキー法」。
関与した16人のロシア当局者に対するアメリカへの入国ビザ発給禁止・資産凍結を定めました。
アレクサンドル・リトビネンコ
元情報将校アレクサンドル・リトビネンコ氏は、個人的にプーチン大統領と対立があったとされています。
2006年、ロンドンでおきた毒殺事件で殺害されました。
ロシア人のアンドレイ・ルゴボイ容疑者とドミトリー・コフトン容疑者が、ロンドンのホテルでリトビネンコ氏の飲み物にポロニウム210を混ぜ毒殺したと断定しました。
プーチン大統領も承認したとされる報告書もあり、世界的に衝撃的なニュースとなりました。
なお、ポロニウム210は原子炉からしか抽出できないため、国家の関与があったことを示しています。
即死させるのではなく放射能でゆっくり死へおいやるのには、「メッセージを送る」ためだったといわれています。
各国がロシアに対して、恐怖に怯えた事件でした。
まとめ プーチン大統領を批判すると命がない
これまでプーチン大統領を大々的に批判した人物は、なにかしらの報復を受けて消えています。
ロシアとはそのような恐怖政治であり、独裁政権です。
米国のバイデン大統領からも暗殺の疑いが濃いとのコメントがあることから、プリゴジン氏は暗殺されたのでしょう。
ワグネルは今後どのような身の振りかたをするのか、関心が高まりますね。
また、悲惨な戦争がはやく終息することを願うばかりです。
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